|
『改善を急げ!消防署の救急医療体制』
昨年12月31日午後9時ごろ、河内長野消防署119番に1本の電話がかかりました。「中
学生の息子が足を怪我しました。救急病院を紹介してください。」 電話を受けた消防署の担当者は外科の当番病院であるA病院を紹介。患者のお母さん
がA病院に電話し容態を説明するとA病院からは「今日は診察できません。」との回
答。やむ無く再度消防署に電話すると今度は整形外科の当番病院であるB病院を紹介
された。B病院に電話すると「急患なら救急車で来てください。」 との回答。お母さんは自家用車で連れて行くことを諦め、再び消防署へ電話し救急車
を依頼。B病院へ搬送されたお子さんは三針縫う処置を受けました。 皆さんはどう思われますか。
ナゼ消防署は診療してもらえないA病院を紹介したのでしょうか。ナゼお母さんは5
回も(消防署に3回・病院に2回)電話をかけ直さなければならなかったのでしょう
か。関係者の見解は下記のとおりです。
【A病院】 輪番制で外科の当番日だったが、外科の救急告示病院でないこともあり、
医師の技量で急患を診療できない場合がある。(この日はレントゲン技師が不在だっ
た)
【消防署】 救急車の出動を必要としないとき(病院紹介)は、容態を的確に伝えられること
から病院へ直接電話を患者にしてもらっている。
今のマニュアルでは消防署が 病院を手配することはない。消防署は病院に患者をお願いする立場にあり、例え結果
として診察できなくても、まずは当番をしてもらっている病院へ優先的に患者を紹介
している。
消防署は「救急体制に落ち度はなかった。」との見解でしたが、もし消防署が電話
を受けた際、病院を紹介するだけでなく患者の容態を的確に把握し病院との連絡が出
来ていたら、少なくとも今回の例では、お母さんが5回も電話をかけ直す必要はな
かったですし、診療してもらえない病院を消防署から紹介されることもなく、事故発
生後直ちに受け入れ可能な病院への搬送が出来ていたのではないでしょうか。
日夜違わず市民の生命・身体を守るために活躍されている救急隊員の方々には心か
ら 敬意を表しますが、119番での電話対応や病院紹介・手配などの救急マニュアルに
ついては、患者を敏速かつ確実に病院へ搬送し診療を受けられるよう改善を図るべき
と考えます。また市内4つの救急指定病院に対しては、救急医療体制(特に夜間)の
さらなる充実強化を求めていきたいと思います。
『急患への病院対応は万全?』
市立病院が無い本市にとっては、市内の民間病院や他市の医療機関との協力体制は不
可欠です。現在、市では4種類の救急医療体制を構築しています。 @市立休日急病診療所
休日と土曜日の急病患者(内科・小児科・歯科)の応急処置。
休日は近大病院、土曜日は開業医が担当。患者数一日平均45人。
6割以上が小児科。所在地は近鉄河内長野駅東側(保健センター横)。
A小児夜間救急医療体制 小児内科疾患における病院紹介と救急車による搬送。
市内在住患者数一日平均5人。
B救急告示病院(初期救急)…大阪府の救急認定を受けている医療機関
【市立休日急 病診療所】
<認定診療科目> 青山第二病院(内科)。 岡記念病院(外科)。
美加の台病院(内科)。 寺元記念病院(内科・外科・整形外科・脳神経外科)。
※救急告示病院とは、救急医療に関する技量を有する医師が常時診療に従事。救急医
療を行うための施設・設備を有する。救急患者のための専用病床を有する病院で認
定・告示を受けているもの。 C二次救急病院 重度の外傷や疾病【脳卒中・心筋梗塞など】に対し高度な救急医療機能をもってい
る医療機関。 (小児科)近畿大学付属病院、PL病院。 (内科)国立大阪南病院。
河内長野市の救急医療体制は内科疾患への対応はほぼ確立しつつありますが、外科
(特に小児外科)などは今後の課題といえそうです。
『遅れつつある病院への搬送・収容時間』
119番通報後、何分で現場に到着したか。 (H15年消防情勢より)
| 3分未満 |
3分以上5分未満 |
5分以上10分未満 |
10分以上20分未満 |
20分以上 |
合 計 |
| 459 |
1,394 |
2,134 |
196 |
9 |
4,192(人) |
市内のほとんどの現場へ10分未満で救急車が到着。
119番通報後、何分で病院へ収容したか。
| 10分未満 |
10分以上20分未満 |
20分以上30分未満 |
30分以上60分未満 |
60分以上 |
合 計 |
| 48 |
1,365 |
1,588 |
969 |
81 |
4,051(人) |
20分未満に病院収容した患者は全体の35%。 H6年74%、H10年62%と比べれば数値
は極端に悪化してきている。原因は救急車による出動の急増、病院の救急医療体制の
未整備、消防署の搬送力低下などがその原因と考えられる。
わが国の救急医療は、医療施設や搬送体制などハード面
での整備が未だ不十分なこと や、救急医療に対する医療関係者の認識の違い、各医療機関での受け入れ体制の水準
に大きな差があることなどソフト面でも課題が山積しています。 救急医療の現場では扱う病気の種類が多岐にわたり、重い症状の患者が多い上に緊急
性を有しているなど、通常とは全く異なる医療形態になっていることから、それらに
対応できる高度な医療技術を持った医師が慢性的に不足していることも深刻な問題と
なっています。(日本の初期・二次救急医療では非救急医が担っている例が多い。つ
まり現在行なわれているのは救急が本業でない医師による「できる範囲の救急医療」
ともいえる。)
今後河内長野市に対してはもちろんのこと、国・府に対して市民が安心・安全な生活
をおくれるよう救急医療における財政的・制度的な支援をさらに強く求めていきたい
と思います。
|